【不動産売却の税金対策】居住用財産の3,000万円控除とは? | 神奈川の新築・中古一戸建て、不動産情報ならME不動産神奈川
不動産コラム
column
不動産売却を学ぶ【不動産売却の税金対策】居住用財産の3,000万円控除とは?
2025.4.30
不動産を売却する際には、売却益に対して課税される可能性がありますが、「居住用財産の3,000万円特別控除」などの制度を活用することで、大きな節税に繋がる場合があります。本記事では、売却時にかかる税金の基礎知識から、3,000万円控除の活用方法、必要な書類などをわかりやすくご紹介します。
1.不動産売却と税金の関係
不動産を売却すると、場合によっては税金が発生します。まずは、基本となる「譲渡所得税」の仕組みから見ていきましょう。
1-1.不動産売却益に課税される「譲渡所得税」とは?
不動産を売却して得た利益には、「譲渡所得税」と呼ばれる税金が課されます。この譲渡所得税は、単純な売却金額に課税されるのではなく、「譲渡所得」と呼ばれる金額に基づいて課税されます。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)-特別控除
取得費には、購入時の物件価格や購入手数料などが含まれます。譲渡費用は、土地や建物を売るために直接かかった費用で、不動産会社への仲介手数料、建物の解体費などが該当します。
1-2.課税対象となる所得と税率
この譲渡所得に対して、所得税と住民税が課税されます。さらに、2037年までは復興特別所得税も併せて課されます。
税率は所有期間によって異なり、長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率をまとめると、以下のとおりです。

復興特別所得税の税率は、長期譲渡所得も短期譲渡所得も所得税に対して2.1%を乗じて求めるものであり、税率はいずれも同じです。短期譲渡所得なら0.63%(=0.3✕0.021)、長期譲渡所得なら0.315%(=0.15✕0.021)となります。
今すぐ査定額を確認2.居住用財産の3,000万円特別控除とは?
不動産売却時の税負担を大きく軽減できるのが、「居住用財産の3,000万円特別控除」です。ここでは、その内容や条件についてご紹介します。
2-1.制度の概要
高額になりがちな譲渡所得税ですが、条件を満たせば「居住用財産の3,000万円特別控除」を適用できるケースがあります。「居住用財産の3,000万円特別控除」は、個人が自ら住んでいた家やその敷地を売却した場合に、一定の条件を満たすことで、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる特例です。
この制度を活用することで、多くの方が課税対象となる譲渡所得を実質0円にできるため、結果的に所得税や住民税を支払わずに済むケースもあります。
2-2.適用条件
この控除を受けるためには、以下のような条件を満たしている必要があります。これらの条件に当てはまるか、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
① 売却した物件が「マイホーム(居住用財産)」であること
具体的には、次のいずれかに該当している必要があります。
■現在住んでいる家(住んでいる状態で売る場合)
■以前住んでいた家(住まなくなってから3年を経過する年の12月31日までに売ることが条件)
■上記の家と一緒に売る土地や借地権
■現在住んでいる家、以前住んでいた家を取り壊した場合のその敷地で、次の2つの要件すべてに当てはまるもの
・取り壊しから1年以内に売買契約を結び、かつ、住まなくなってから3年以内に売ること
・取り壊し後は駐車場など別の用途に使っていないこと
■災害で家が壊れてしまった場合の土地で、次の区分に応じた期限までに売るもの
・現在住んでいた家 → 災害があった年から3年以内の12月31日まで
・以前住んでいた家 → 住まなくなってから3年以内の12月31日まで
② 過去2年以内に、居住用財産の3,000万円特別控除や買換え特例など、譲渡所得に関する特例の適用を(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除を除く)受けていないこと
③ 売却した年・前年・前々年に、マイホームの買い換えや交換の特例を使っていないこと
④ 他の特例(例:収用による特別控除など)を受けていないこと
⑤ 親や配偶者など、特別な関係がある人に売っていないこと
3.控除を受けるための手続きと必要書類
居住用財産の3,000万円特別控除を受けるには、確定申告が必須となります。本章では、手続きの流れや必要な書類について解説します。
3-1.控除を受けるには確定申告が必要
「居住用財産の3,000万円特別控除」を受けるためには、売却した翌年の確定申告で申請手続きを行う必要があります。給与所得者であっても、この控除を適用したい場合は必ず申告が必要となりますので、忘れずに準備しましょう。
控除は自動的に適用されるわけではなく、自ら税務署に申告しなければ適用を受けられないとなってしまうため、特に注意が必要です。
3-2.手続きの流れ

以下が、控除を受けるための一般的な手続きの流れです。
➀売却後の書類整理
不動産を売却した際の契約書や、費用の領収書などをまとめておきます。後の譲渡所得の計算や証明に必要となります。
➁譲渡所得の計算
売却益(譲渡所得)を正確に算出します。 この際に、「売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)」の計算式に基づき算出した譲渡所得から、3,000万円の特別控除を差し引くことで、実際に課税される所得額を求めます。
③確定申告書の作成
税務署または国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して、確定申告書を作成します。「譲渡所得の内訳書(第三表)」と呼ばれる付表の作成も必要です。
④税務署へ提出・電子申告
完成した申告書を、納税者の住所地を管轄する税務署へ提出します。提出方法は以下のいずれかから選べます。
・税務署へ直接提出(窓口または郵送)
・e-Tax(マイナンバーカードを利用したオンライン申告)
3-3. 申告する時期と提出先
確定申告の受付期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。売却した年の翌年に申告する必要があります。
また、提出先は納税者の「現住所を管轄する税務署」です。税務署の所在地や開庁時間は、国税庁のウェブサイトから確認できます。
3-4. 確定申告に必要な主な書類一覧
申告にあたっては、以下の書類を用意する必要があります。

必要に応じて、建物の取得費を証明する書類(購入時の契約書や領収書など)も求められます。資料の紛失などで取得費がわからない場合には、売却価格の5%を概算取得費として計算することも可能です。
また、マイホームを売った人の住民票住所と物件所在地が異なる場合、その人が実際に住んでいたことを示す戸籍附票などの書類も提出が必要です。
不動産売却時の確定申告については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
4.3,000万円控除を活用する際の注意点と失敗例
居住用財産の3,000万円控除は非常に有利な制度ですが、適用には細かな条件や注意点が多くあります。知らずにいると控除を受けられなくなるケースもあるため、事前に「よくある落とし穴」を把握しておきましょう。
4-1. 控除の対象期間を過ぎてしまう
「転居から3年を経過する年の12月31日までに売却すれば適用可能」とありますが、この3年以内という条件は意外と見落とされやすいです。気づいたときには適用対象外になっていた、というケースも多くあります。
転居後に時間が経過してしまうと、たとえマイホームであったとしても控除は適用されません。売却時期のタイミングは慎重に見極めましょう。
4-2. 他の特例と併用できない場合がある
例えば、「10年超所有軽減税率の特例」や「買い換え特例」との併用は原則できません。
どの制度を優先して適用するか、事前に確認しておくことをオススメします。場合によっては3,000万円控除よりも他の特例の方が節税効果が高いこともあります。
4-3. 「家族名義」や「相続した物件」は注意が必要
この特例は、本人が住んでいたことが条件となるため、「名義が配偶者や親のままになっている」「相続後に住んでいないまま売却した」などのケースでは適用されない可能性があります。
名義変更や住民票の移動など、細かな手続きにも注意が必要です。
4-4. 取得費が不明で、想定外の課税が発生することも
古い物件などで取得費を証明できる書類が残っていない場合、「概算取得費(売却価格の5%)」で計算せざるを得なくなり、実額よりも低い金額になることがあります。
結果として譲渡所得が大きくなり、税額も高くなってしまう可能性があるため、購入時の契約書や領収書はできるだけ保管しておきましょう。
4-5. 不動産業者選びも重要なポイント
制度そのものだけでなく、実際に売却を任せる不動産会社によっても、手続きのサポート体制やアドバイスの内容に差があります。
税制の知識を持ち、申告準備まで一貫してサポートしてくれる業者を選ぶことが、成功する不動産売却の近道です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「居住用財産の3,000万円特別控除」についてご紹介しました。
制度を正しく理解し、必要な手続きを適切に行うことで、税負担を大きく軽減できます。
それでは、本記事でご紹介した内容をおさらいします。
■不動産売却と税金の基本
・売却して利益が出た場合、譲渡所得税(所得税+住民税)が発生
・所有期間により短期・長期で税率が異なる
・譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)− 各種控除
■居住用財産の3,000万円特別控除とは
・マイホーム売却時に譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度
・短期・長期を問わず適用可能
・適用条件を満たすことで大幅な節税効果が期待できる
■特別控除の適用条件
・売却した不動産が本人または家族の居住用である
・過去2年以内に同じ特例を利用していない
・親子・夫婦間などの売買ではない
■控除を受けるための申告手続き
・確定申告が必須(翌年2月16日〜3月15日)
・税務署への持参、郵送、e-Taxなどで申告可能
・売買契約書、住民票、内訳書などの提出が必要
■3,000万円控除を利用する際の注意点と失敗例
・「転居から3年以内」の条件を過ぎると、3,000万円控除が使えなくなる場合があるため、売却時期の確認は慎重に
・他の特例とは併用できない場合があり、事前の制度比較と優先順位の見極めが必要
・住民票の住所や名義が本人以外になっていると、控除が適用されないケースがあるので要注意
・取得費が証明できないと、実際より高い課税が発生することも
・制度面のサポートに詳しい不動産業者を選ぶことが大切
不動産を売却する際には、税金の仕組みや申告方法をしっかり理解しておくことが重要です。条件に合致していれば、3,000万円の特別控除は非常に大きな節税効果をもたらします。「自分も対象になるのか知りたい」「申告の準備が不安」という方は、まずはお気軽にご相談ください。
経験豊富なアドバイザーが、お客様の不動産売却を徹底的にサポートいたします。
厚木市内をはじめ、本厚木駅・愛甲石田駅エリア、さらに海老名・秦野など幅広いエリアに対応しております。
税金や手続き面でのご不安にも丁寧に対応いたしますので、不動産売却をご検討の方は、ぜひME不動産神奈川へご相談ください。
お家のことで何かお困りの際は
ME不動産神奈川株式会社へご連絡ください!
046-294-0866
営業時間:9:00~18:30
新着コラム
お問い合わせ
人生最大のお買いものである住宅購入には、様々なお悩みや不安がつきものです
どんな些細なことでも構いませんので、まずはME不動産神奈川にお気軽にご相談ください。
弊社について
© ME不動産神奈川 All rights reserved.